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久保 和子
Journal of the Physical Society of Japan, 38(1), P. 288, 1975/01
室温より少し高い温度で陽子照射したNaFの光吸収スペクトルを用いて金属析出の初期過程を調べた。照射条件(陽子エネルギー、照射強度、全照射量および照射温度)に従って吸収スペクトルが変化する。常温軽照射ではFとM、高温で照射量が増すとR、NなどのF-集合中心の他にコロイド的なものが出来る。吸収体からコロイドは球形と円筒形の金属Naと推定される。コロイドの形成は陽子少照射により正イオン変位が多く出来ることで説明される。格子間の正イオンはF電子を含む電子捕獲で中性になり、凝集して空孔集合の場所にコロイドとして析出する。そのためにF中心は減少する筈であるが、これは実験とよく一致する。照射量が非常に大きくなると結晶性を失うので着色はせず、コロイドの発達した形と金属被膜になることもスペクトルが示している。
久保 和子
JAERI-M 5800, 14 Pages, 1974/07
I 電子照射したLiF中の(F吸収vs照射表面からの深さ)を測定した。このF中心密度の深さ分布は結晶中の電子の多重散乱により特徴ずけられ、Spencer理論で計算される電子エネルギー損失の深さ分布と初期においては良く一致する。照射量の増加に伴ないF中心密度の飽和のために理論的エネルギー損失曲線から離れ、電子飛程より奥に附加的な肩が現われる。これは電子がLiFを透通する際に放射する二次光子によるF中心形成の為と考えられる。II 高純度LiFの高温電子線照射による光吸収は中性子照射によるものとS帯を除き全く同じで、LiFにおける中性子効果が局所的(イオン化+高温)であることを示す。700Cまでの熱処理によって調べた結果、コロイド的中心の固定として、500nm帯は複合色中心、430と480nm帯は金属LiによるMie光散乱、270と370nm帯は金属Li中のプラズマ電子振動、500C以上の300nm帯はLi拡散後の擬金属Li領域による光散乱によるとすれば、相互予循なく理解される。
久保 和子; 数又 幸生; 川面 澄
Journal of the Physical Society of Japan, 37(6), P. 1715, 1974/06
2MV Van de Graoffからの1.1MeV-NイオンでLiFおよびNaF単結晶をRT照射し、着色をCary14RでLNT測定した。スペクトルを検討した結果、F帯に対して比較的大きいM、RおよびN帯が区別される他に、LiFで282、373と417nm、NaFで458nmに吸収帯が存在した。これらの波長は電子のプラズマ振動の金属微粒子内での共鳴吸収の計算値と良く一致するので、これら吸収帯は円筒および球状の金属コロイドによるものと考えられる。重イオンの場合は軽粒子と異なり、弾性散乱の役割が大きい。剛体球モデルでの計算をすると格子間正イオンの濃度は充分大きく、F電子を捉えて金属電子となりコロイドを作る公算が大きいことが分る。照射表面に金属薄膜が観察されることや、照射量の増加に伴ないF中心濃度が減少するという実験結果は上述の機構とよく符合する。